サウナと筋肥大について
筋肉は育つ?落ちる?入るタイミングと注意点を解説

運動後のサウナは、気分をすっきりさせてくれる楽しみの一つです。筋トレとあわせてサウナを利用する方の中には、「サウナに入ると筋肉が育つの?」「汗をかくと筋肉が落ちてしまう?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
今回は、サウナと筋肉の関係を整理し、運動前後に入る際のタイミングや注意点について解説します。

〇サウナだけで筋肉は育つ?

筋肉は、筋力トレーニングによる刺激を受け、食事から得たたんぱく質などを材料にして、少しずつ大きくなります。筋肉をつくる「筋たんぱく質の合成」が、分解を上回る状態を積み重ねることが、筋肥大につながります。そのため、十分な栄養に加え、運動後の回復や筋肉づくりが進む時間を確保するための休養も大切です。

〇サウナに入ると筋肉は落ちる?

サウナ後に体重が減っても、それだけで筋肉が落ちたという意味ではありません。短時間での体重減少は、主に汗によって体内の水分が失われたためです。そのため、体重が減った分だけ筋肉や脂肪が減ったと考えるのは適切ではありません。
ただし、水分を失ったまま補給しないと、脱水につながるおそれがあります。体重減少を目的に長時間入ったり、水分補給を控えたりすることは避けましょう。

〇サウナは運動後の回復に役立つ?

運動後のサウナには、筋肉痛を和らげる効果が期待できます。低温の赤外線サウナを用いた研究では、筋トレ後に利用することで、室温で休む場合より翌朝に感じる筋肉痛が軽くなった研究もあります(Ahokas et al., 2023)

ただし、筋肉痛の軽減が、筋肉の修復や筋力の回復を早めることに必ずつながるわけではありません。疲労が強い日はサウナや負荷の高い運動を控え、夜更かしを避けて十分な睡眠をとりましょう。運動後は水分をこまめに補給し、ご飯やパンなどの糖質と、肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質を含む食事をとることも大切です。サウナは体調が回復してから、無理のない範囲で楽しみましょう。

〇サウナに入るタイミングと注意点

筋トレとサウナの両方を楽しむ場合は、体への負担に配慮し、別の日に分けるのもよい方法です。特に疲労が強い日は、サウナより休養を優先しましょう。なお、筋肥大に最適なサウナのタイミングは確立していません。
同じ日に利用する場合は、筋トレ前の長時間のサウナを避けましょう。発汗による脱水や体温の上昇により、その後の運動中にめまいや強い疲労感が出るおそれがあります。筋トレ後は、呼吸やほてりを落ち着かせ、水分を補給してから利用してください。
一般的には1回15〜20分を超えないよう勧められていますが、その時間まで入る必要はありません。温度や湿度、体調に合わせてさらに短くし、めまいや吐き気などを感じたらすぐに退出しましょう。

〇水風呂と筋肥大の注意点

筋トレ後の体では、筋たんぱく質の合成が高まり、筋肉をつくる反応が進みます。しかし、冷水で筋肉を長時間冷やすと、この反応が弱まり、筋肥大を妨げる可能性があります(Fuchs et al. 2020、Roberts et al.2015)
筋肉を大きくすることを優先する場合は、筋トレ直後に長時間、水風呂に浸かる習慣を控えましょう。

〇まとめ

サウナだけで筋肉が増える効果は、十分に確認されていません。また、利用後の体重減少は、主に汗による一時的な水分の減少によるものと考えられます。運動後の筋肉痛を和らげる可能性はありますが、必ずしも筋肉の回復を早めるとは限りません。
筋肉を育てる基本は、筋力トレーニング、十分な食事、睡眠です。
利用するときは、水分補給と休憩を心がけ、体調に合わせて無理なく楽しみましょう。筋肥大を目指す方は、筋トレ直後の長時間の水風呂にも注意が必要です。
ぜひ、運動と休養のバランスを大切にしながら、自分に合ったサウナの楽しみ方を見つけ、健康な身体づくりにつなげていきましょう。

執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 関澤 凪
監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰
池尻大橋せらクリニック