着心地が集中力を左右する?
新素材カラタッチとスポーツ時の快適性
~不快感を減らすことでプレーの質が変わる理由~
スポーツをする際、ウェアを選ぶ基準として「デザイン」や「動きやすさ」を重視する方は多いのではないでしょうか。しかし近年では、「着心地」そのものが集中力やパフォーマンスに影響する可能性が注目されています。本コラムでは、スポーツウェアに採用されている新素材「カラタッチ」に着目し、快適な着心地がスポーツ時のパフォーマンスにどのように関わる可能性があるのかを、医学的な視点から解説します。
〇衣服の着心地はスポーツパフォーマンスに関係する?
スポーツでは、筋力や持久力だけでなく「集中力」を維持することも重要です。運動中は体温が上昇し、多量の汗をかきます。この時、衣服内の蒸れや暑さによる不快感が強くなると、疲労感が増し、集中力の低下につながることが報告されています(Cheung SS, et al 2016)。
また、衣服によって不快感が増す主な原因として、
- 衣服内の温度や湿度の上昇
- 汗によるべたつき
- 肌との摩擦
などがあげられます。また、熱ストレスに関する研究では、体温の上昇や暑熱環境によって注意力や判断力、反応速度などの認知機能が低下することが報告されています(Gaoua N, et al 2010)。スポーツでは、一瞬の判断や正確なプレーが勝敗を左右する場面も少なくありません。そのため、体への余分なストレスを減らし、快適な状態を保つことは、集中力を維持するための一つの要因になると考えられています。
〇新素材「カラタッチ」とは?
こうした背景の中で注目されているのが、スポーツウェアに採用されている新素材「カラタッチ」です。カラタッチとは、
- さらっとした肌触り
- 汗をかいても快適な着用感
- 優れたストレッチ性
- 動きやすさ
などを追求して開発された素材です。汗によるべたつきや衣服内の群れを軽減し、快適な状態を保ちやすくすることで、運動中の不快感を抑えることが期待されています。カラタッチそのものが直接パフォーマンスを向上させることを示した医学的な根拠は十分ではありません。しかし、快適な衣服内環境を維持することで、身体的・精神的なストレスが軽減され、その結果として集中しやすい環境づくりにつながる可能性があります。
〇スポーツウェアを選ぶ際のポイント
カラタッチに限らず、スポーツウェアを選ぶ際には次のような点にも注目してみましょう。
- 吸汗速乾性に優れている
- 通気性が良い
- 肌触りが良い
- ストレッチ性が高い
- 長時間着用しても蒸れにくい
- 体に適度にフィットし、動きを妨げない
このような特徴をもつウェアは、
- 集中力を維持しやすい
- 暑さによるストレスを軽減しやすい
- 疲労感を感じにくくなる可能性がある
- 運動を快適に継続しやすい
といったメリットにつながることが期待されます。
〇まとめ
スポーツパフォーマンスは、筋力や技術だけで決まるものではありません。近年では、衣服内環境や着心地が競技中のコンディションに影響する重要な要素として注目されています。暑さや蒸れ、汗による不快感を軽減することは、集中力や快適性の維持につながる可能性があります。新素材「カラタッチ」のような快適性を重視したウェアは、こうした衣服内環境を整えるための選択肢の一つです。ウェアを選ぶ際は、デザインだけでなく、「快適性」という視点にも目を向けてみてください。日々の運動がより楽しく、継続しやすいものになるかもしれません。
執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 山下 暁
監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰
池尻大橋せらクリニック








