ジャンプで身長は伸びる?

「ジャンプ運動をしたら背が伸びるかもしれない」身体測定前の時にそんな風に思ったことがある方は多いのではないでしょうか。
今回はジャンプ運動と身長の関係についてお話ししていきたいと思います。

〇そもそもなぜ身長が伸びるのか

ジャンプ運動をして身長が伸びるのかについては、思春期までの期間は影響を与える可能性がありますが、思春期以降は難しいとされており、これには身長が伸びるメカニズムが関わっていると考えられます。
身長は、骨の両端にある成長板という部分で新しい骨が作られており、まず軟骨が増えて、そこが骨に置き換わることで伸びていきます。しかし、成長板は、思春期以降は硬くなって閉じるため、その後は成長しにくくなります。
成長には、成長ホルモンや甲状腺ホルモン、性ホルモンなどが関わっていますが、運動は骨密度を高めたり成長のサポート役を行っており、ジャンプ運動も成長のサポートになることが考えられます。

〇ジャンプ運動と身長の関係

思春期前の8歳から11歳の小児を対象とした研究では、約6ヶ月間、週3回・1回50分の運動を行い、その中にジャンプ運動を取り入れることで、身長の伸びが促進される可能性が示されました。実際に、24週間の介入後、ジャンプ運動を行った群では平均4.20cm身長が伸びたのに対し、対照群では2.48cmであり、ジャンプ運動を行った群でより大きな身長増加が認められました。また、この身長の変化には大腿骨頸部の骨密度の変化が間接的に関与している可能性も示されています。(Huiming Wang 他、2025)
運動の強度としては、本研究では最大心拍数の64〜77%程度の中等度負荷(息が少し弾むものの、笑顔でギリギリ会話が続けられる程度)で、運動内容は以下のように設定されていました。

  • 縄跳び
    45秒×10セット、休憩75秒
  • 両脚ジャンプ
    両脚で連続ジャンプ、6セット、セット間30秒
  • 片脚ジャンプ
    片脚で連続ジャンプ、6セット、セット間30秒、左右を途中で入れ替えない
  • スクワットジャンプ
    膝屈曲位で2秒静止→最大前方ジャンプ
  • 垂直跳び
    20回/セット、90°程度までしゃがみ、腕の振りなしで連続ジャンプ、30秒休憩

(Huiming Wang 他、2025)

一方で、身長はジャンプ運動だけで決まるものではありません。

  • 遺伝的要因
  • 成長板の働き
  • ホルモン環境(成長ホルモンやIGF-1など)
  • 栄養状態(十分なエネルギー・たんぱく質・ビタミンDなど)
  • 十分な睡眠

など、さまざまな要因が関係しています。
これまでの研究でも、適度な運動は小児の正常な身長発育を妨げるものではなく、骨や筋肉の発達に良い影響を与える可能性が示されています。(Alves & Alves、2019)
また、成長期の骨では、適切な力学的刺激が骨や成長板の正常な発達に関係しています。ジャンプ運動では、着地時に下肢へ大きな力学的刺激が加わるため、骨の発達を促す刺激の一つになると考えられます。

〇まとめ

「ジャンプをすれば身長が伸びる」とまでは現時点では言えません。ジャンプ運動を特別な「身長を伸ばす運動」と考えるよりも、十分な栄養や睡眠を確保したうえで、成長期の身体に適切な刺激を与える運動の一つとして取り入れることが重要です。

執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 宮田 哲朗
監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰
池尻大橋せらクリニック