疲れやすい体を支える!
疲労回復に役立つ栄養素と身近な食品

「しっかり寝ても疲れが抜けない」「夕方になると集中力が落ちる」「最近疲れやすくなった」
このように感じることはないでしょうか。
これらの疲労は単なる気合いや根性の問題ではなく、食事の内容や栄養素が影響している場合があります。
今回は疲労回復について、エネルギー供給の観点を中心にお話ししていきます。

〇そもそも人はなぜ「疲れ」を感じるのか

ヒトは、筋肉を動かす、考える、呼吸をするといったあらゆる生命活動にエネルギーが必要であり、そのエネルギーは様々な栄養素を使いながら細胞内において解糖系、TCA回路、電子伝達系というサイクルを経て作られるアデノシン三リン酸(以下:ATP)というエネルギーの源になる化合物がADP(アデノシン二リン酸)に変化する際に作り出されてるといわれています。
ATPは体内に大量に蓄えておくことはできず、常に体内で作り続けられています。
しかし、運動や仕事、家事、ストレスなどによって消費量が増えたり、栄養不足によって供給が足りていないと身体や脳の機能が低下し、疲労感として現れることがあります。
そのエネルギー不足から起こる疲労を回復するために必要となる主な栄養素をご紹介します。

〇エネルギー補給に欠かせない栄養素

エネルギー源の中心となるのが「五大栄養素」です。

・五大栄養素

  • 炭水化物(主に糖質)
  • 脂質
  • たんぱく質
  • ビタミン
  • ミネラル

特定の食品を食べたらエネルギーを増やせるということはなく、糖質・脂質・たんぱく質を軸にビタミンやミネラルの力を借りながらチームでエネルギーを作っているためバランスよく摂取することが大切です。

〇どんな食品を食べたらよいの?

糖質は、ご飯やパン、イモ類などに多く含まれており、脳や筋肉を動かすための大切な栄養素です。不足すると集中力の低下や疲労感につながることがあります。

脂質は「摂りすぎに注意が必要な栄養素」という印象を持たれがちですが、実は体にとって欠かせない存在です。細胞膜やホルモンの材料となるほか、ビタミンA・D・E・Kなどの脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きがあります。そのため、適量の脂質を摂取することは健康維持に重要です。

たんぱく質は、筋肉や臓器、皮膚、髪など体をつくる材料となります。また、酵素やホルモン、免疫機能に関わる物質の材料にもなっています。良質なたんぱく質を選ぶ際には、アミノ酸スコアを参考にする方法があり、卵や牛乳はアミノ酸スコア100の食品として知られています。

さらに、これらの栄養素の働きを支えているのがビタミンやミネラルです。例えば、ビタミンB₁やビタミンB₂は栄養素の代謝を助け、鉄は体内で酸素を運ぶ役割を担っています。
主役となる三大栄養素と、それを支えるビタミン・ミネラルを意識しながら、バランスの良い食事を心がけたいものです。

〇まとめ

疲労を感じる背景には、エネルギー不足や栄養バランスの乱れが関係している場合があります。
疲労回復のためには、特定の食品だけに頼るのではなく、

  • 主食でエネルギーを補給する
  • 肉や魚、卵、大豆製品でたんぱく質を摂る
  • 野菜や果物でビタミン・ミネラルを補う

例えばコンビニで買える身近な食品であれば、

  • エネルギー:おにぎり、サンドイッチ
  • タンパク質:唐揚げ、サラダチキン、ゆで卵
  • ビタミン・ミネラル:サラダ、バナナ

といったバランスの良い食事が基本です。毎日の食事を少し意識することが、疲れにくい体づくりの一歩になるかもしれません。

執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 宮田 哲朗
監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰
池尻大橋せらクリニック