スポーツをしていると、周囲の言葉や自分の心の状態に敏感になり、不安や自信喪失を感じることがあります。しかし、心の揺れは誰にでも起こるもの。今回のコラムでは、心の不安定がパフォーマンスに与える影響と、心を整えるための方法についてご紹介していきます。


〇心の不安定について

普段、何かしらの理由で「心が不安定になること」は誰にでも起こりうることです。
(仕事環境が変わった、失恋した、寝不足、体調不良など)
また、「心が不安定な状態」では、普段、不安にならないようなことでも、ちょっとしたことで「不安」になってしまうものです。

〇心の不安定とパフォーマンスの関係について

「昨日、プレーに関して監督に言われた言葉で不安になった。」

この「不安」が、脳でどのようなことが起こっているかというと

自分の予測や期待に反する刺激(コーチ・監督の言葉)

自分の期待や予測との差が生じる(偏桃体 青斑核の反応)

ストレス反応(ノルアドレナリン・ドーパミンの発生、交感神経の作動)


心が不安定な状態だと、このような不安や迷いが生まれやすくなってしまいます。自分が期待していたものとは反する言葉でストレス反応により心身の変化が生まれ、心が不安定になり、思うようにプレーができない状態になってしまうということが考えられます。

〇心を整えるための方法

先ほどのような心が不安定な状態では、試合のパフォーマンスで最大の能力が発揮しにくいものです。そこで、自分の心をコントロールしてパフォーマンスを発揮するために、心を整えていく方法を、今回は3つお伝えしていきます。

1.気持ちを書き出して自分を俯瞰する

落ち込んでいる自分に気づくことが、心の安定への第一歩です。感情を書き出すことで、脳の使い方が変わり、冷静に自分を認識できるようになります。

2.ヨガや散歩、ストレッチでリラックスする

体を動かすことでストレスホルモンの抑制効果が得られ、自律神経が整い、心が落ち着きます。特にリズムが一定の運動は心の安定に有効です。

3.十分な睡眠を確保する


心の安定には十分な睡眠が不可欠です。睡眠不足が続くと、脳の前頭前野が正常に働かず、心の不安定につながります。また、睡眠時間の規則正しさも心の安定を助けます。


まとめ


心が不安定になることは誰にでもあるもの。適度なストレスはプラスに働くこともありますが、心が不安定で不安になると、思ったプレーはできないものです。自分の心をコントロールするためには、メンタルの仕組みを理解し、適切な方法で自分を整えることが大切です。自分の心を管理できるようになるために、さまざまな方法を試し、自分に合った方法を見つけていきましょう。
・・・・・・・・・・・・・・・
執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 中山 みのり

監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰

池尻大橋せらクリニック https://sera-clinic.com/