子どもの怪我のケア方法・予防

〜子どもの怪我を防ぎ、安心して遊びやスポーツを続けるために〜

子どもは遊びやスポーツを通して、走る・跳ぶ・投げるなど、さまざまな身体の動きを身につけていきます。一方、成長期は身長や体重、骨や筋肉などが大きく変化するため、転倒や打撲、捻挫、肉離れなどのケガが起こることもあります。ケガを予防するには、運動前の準備、正しい身体の使い方、疲労や痛みの管理が大切です。

〇ケガをしたら、まず状態を確認

スポーツ中に転んだり、足をひねったりした場合は、まず運動を中止し、痛み・腫れ・動かしにくさなどを確認しましょう。軽い打撲や捻挫に見えても、痛みがある状態で運動を続けることは避けます。
「歩けない」「腫れが強い」「明らかな変形がある」「痛みが強く続く」といった場合は、自己判断で運動を再開せず、医療機関へ相談しましょう。

〇子どものケガを防ぐ3つの対策

① 運動前に身体を動かす準備をする

いきなり全力で走るのではなく、軽いジョギングや動的ストレッチなどで身体を温めましょう。さらに、片脚立ち、スクワット、ジャンプ、着地などを組み合わせ、これから行う運動に必要な動きを準備することも大切です。
子どものサッカー選手を対象とした研究では、筋力・バランス・身体のコントロールなどを含む神経筋トレーニングをウォームアップに取り入れることで、下肢のケガが減少したことが報告されています(Hilska M, et al. Sports Med. 2021)。

② 成長に合わせて「上手に動く」練習をする

成長期は身長や体重の変化に伴い、身体のバランスや動かし方も変化します。そのため、以前は問題なくできていた動作でも、一時的にぎこちなくなったり、バランスを崩しやすくなったりすることがあります。筋力をつけるだけでなく、身体を思い通りに動かす練習も大切です。
例えば、ジャンプからの着地では、
「着地で膝が内側に入っていないか」
「身体が左右に大きくぶれていないか」
などを確認してみましょう。膝が内側に入ってしまったり、着地で身体が大きくぶれてしまうと足首や膝などのケガのリスクが高くなってしまいます。
練習は、まず両脚でのジャンプ・着地から始め、慣れてきたら片脚立ち、片脚での着地、左右へのジャンプ、方向転換や急なストップなどへ段階的に進めます。保護者は「高く跳ぶ」「速く動く」ことだけでなく、着地後にふらつかず止まれるか、痛みがないかにも注目しましょう。
また、身長が急に伸びた時期には、走り方や姿勢、バランスに変化がないかを普段から観察することも大切です。

③ 疲労と痛みを見逃さない

子どものケガには、転倒などによる一度の大きな外力だけでなく、繰り返しの練習による疲労が関係する場合もあります。「練習を休みたくない」という気持ちがあっても、痛みがある状態で無理を続けることは避けましょう。
「練習後だけ痛い」「同じ場所が繰り返し痛む」「以前より動きが悪くなった」などの変化があれば注意が必要です。練習量を減らしたり、休養日を設けたりすることもケガ予防の一つです。十分な睡眠と食事も、成長期の身体の回復を支えます。

〇家庭でできる簡単なチェック

保護者は、片脚立ちやスクワットなどを行った際に、痛みがないか、左右差が大きくないか、膝が内側に入る動きがないかを確認してみましょう。ただし、左右差があるからといって、必ずケガにつながるわけではありません。気になる動きや痛みが続く場合は、医療機関へ相談しましょう。

家庭でできるチェック ①痛みがないか ②左右差が大きくないか ③膝が内側に入る動きがないか

〇「ケガをしない」より「ケガをしにくい身体」へ

子どもの成長やスポーツから、ケガを完全になくすことはできません。しかし、ウォームアップ、筋力、バランス、身体のコントロール、疲労管理を日頃から意識することで、ケガのリスクを減らす取り組みはできます。
「痛くないから大丈夫」と考えるだけでなく、子どもの動きや疲れ具合にも目を向け、無理をさせないこと。必要なときには専門家へ相談すること。毎日の小さな変化に気づくことが、子どもが安心して遊びやスポーツを続けるための大切なケガ予防につながります。

執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 佐藤 脩斗
監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰
池尻大橋せらクリニック