1日中疲れない人の
"姿勢リセット習慣"とは?
〜姿勢を整えるだけで"ラクに過ごせる理由"〜
「普段運動しているのに、長時間座っていると肩や腰がつらくなる」
「デスクワークをしていると肩や首が重くなり、集中力が続かない」
このような経験はありませんか?
実は、その不調の原因は日常生活での姿勢にあるかもしれません。
「姿勢が悪いから痛くなる」「良い姿勢を意識すれば改善する」と考える方も少なくありません。実は、どれだけ「良い姿勢」であっても、長時間同じ姿勢を続けること自体が身体への負担になることがあります。
本コラムでは、疲れにくい身体づくりのために知っておきたい「良い姿勢」と「姿勢リセット習慣」についてご紹介します。
〇姿勢が崩れて起こること
長時間同じ姿勢を続けると、筋肉は持続的に緊張した状態となり、血流が低下しやすくなります。その結果、首や肩、腰のだるさや痛みにつながることがあります。
また、胸郭の動きが制限されることで呼吸が浅くなりやすくなります。呼吸が浅くなると身体へ十分な酸素を取り込みにくくなり、脳や筋肉の働きが低下することで疲れやすさや集中力の低下につながる場合があります。
〇姿勢が崩れる原因とは?
姿勢が崩れる原因として、以下のような習慣や環境が挙げられます。
- 長時間同じ姿勢を続ける
- デスクワークやスマートフォンの使用中
- 腰作業や重い物を持つ作業
- ストレスや疲労の蓄積
- 運動不足による身体活動量の低下
特に近年では、「悪い姿勢」そのものよりも、「同じ姿勢を続けること」が身体への負担を増加させる要因の一つであると考えられています。
〇負担の少ない姿勢とは?
一般的には耳・肩・股関節が横から見て一直線に並び、肩や腰に力が入っていない状態が良いとされています。
〇疲れない人はどうしている?
「疲れない人は、常に良い姿勢を保っている」と思われがちですが、実際はそうではありません。
近年では、同じ姿勢を長時間続けることよりも、適度に姿勢を変化させること(姿勢の多様性)が重要であると考えられています。
また、長時間座り続けるのではなく、こまめに身体を動かすことで身体への負担軽減につながることも報告されています。
そのため、疲れにくい人はデスクワークの合間に立ち上がる、肩や首を動かす、深呼吸を行うなど、こまめに姿勢をリセットする習慣(活動休憩 Active Breaks)を行っています。
〇あなたは大丈夫?セルフチェック
以下の項目に当てはまるものはありますか?
- □ 1時間以上同じ姿勢でいることが多い
- □ デスクワークやスマートフォンを使用する時間が長い
- □ 肩こりや首こりを感じることが多い
- □ 夕方になると疲れやすい
- □ 運動習慣が少ない
- □ 深呼吸を意識することが少ない
- □ 休憩を取らずに作業を続けることが多い
当てはまる項目が多いほど、同じ姿勢による身体への負担が蓄積している可能性があります。
3個以上当てはまる方は、肩こりや腰痛、疲労感の予防のためにも姿勢リセット習慣を意識してみましょう。
〇セルフエクササイズ
・定期的に行ってほしい習慣
- ① 1時間に1回立ち上がる 座位を中断するだけでも身体への負担軽減につながります。
- ② 胸を開いて深呼吸する 胸郭の動きを促し、呼吸を整えます。
- ③ 肩甲骨を大きく動かす デスクワークで固まりやすい肩周囲の筋肉を動かします。
- ④ 少し移動する トイレや給水のついでに少し歩くだけでも、血流が促進され、同じ姿勢による身体への負担軽減につながります。
・余裕があれば行いたいストレッチ
① 両手クロスストレッチ
手順:
1. 両手を頭の上で組みます。
2. 腕を真上に伸ばします。
3. そのまま両手をクロスさせます。
4. ゆっくり呼吸を続けながら姿勢を保ちます。
実施時間:30秒間保持 × 2セット
ポイント:肩に力を入れすぎない・呼吸を止めない・気持ちよく伸びる範囲で行う
② 首回を横に倒すストレッチ
手順:
1. 背筋を伸ばして座る、または立ちます。
2. 肩の力を抜きます。
3. 首をゆっくり右へ倒します。
4. 首筋が伸びる位置で保持します。
5. 左側も同様に行います。
実施時間:右左30秒ずつ 各 × 2セット
ポイント:痛みのない範囲で行う・肩が上がらないように注意する・反動をつけない
③ 胸開きストレッチ
手順:
1. 両手を背中の後ろで組みます。
2. 肩甲骨を軽く寄せます。
3. 胸を開くように姿勢を整えます。
4. ゆっくり深呼吸を行います。
実施時間:20〜30秒間保持 × 2セット
ポイント:腰を反りすぎない・胸を開くことを意識する・呼吸を止めない
〇まとめ
疲れにくい身体づくりのためには、良い姿勢を頑張って維持することよりも、同じ姿勢を長時間続けないことが大切です。
もちろん正しい姿勢を意識することも重要ですが、それ以上に日常生活の中でこまめに身体を動かし、姿勢を変化させることが身体への負担軽減につながります。
そのためには、活動の合間に身体を動かす「活動休憩(Active Breaks)」を意識して取り入れてみましょう。
まずはセルフチェックでご自身の生活習慣を振り返り、できることから少しずつ実践することで、疲れにくい身体づくりにつながります。
執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 関澤 凪
監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰
池尻大橋せらクリニック