「扁平足」という言葉、聞いたことがある方も多いかもしれません。ですが、実際に扁平足になることでどんな問題が起きるのかは、意外と知られていません。今回はそんな扁平足について解説します。
扁平足とは、足裏にある「アーチ(土踏まず)」が低くなる、または消失している状態のことをいいます。日本人成人の約3割に見られると言われており、日常動作に欠かせない役割を持ちます。


〇足のアーチは3つ!

• 内側縦アーチ(いわゆる土踏まず)
• 外側縦アーチ
• 横アーチ
この3つがバランスよく機能することで、体を支えています。
アーチの役割は??
• 衝撃を吸収する
• 地面を蹴る力を生む
• 姿勢やバランスの安定

〇アーチが崩れることによる問題は?


• 足が疲れやすくなる
アーチが崩れると衝撃吸収ができなくなり、足の筋肉が疲労を起こしやすくなります。
• 痛みが出る
アーチが崩れたままでいると足の裏で支えていた筋肉や靭帯も伸びた状態になります。その際に「足底腱膜炎」になり痛みがでるリスクが高くなります。
• 姿勢が悪くなる
両足または片足が扁平足になると、足首から傾き、股関節や 脊柱などの関節のバランスが崩れ、姿勢が悪くなります。


〇セルフチェック法

後ろから見て足の指が横に広がって見える「Too Many Toes Sign」があります。



改善にはトレーニングが効果的です。以下のトレーニングを日常に取り入れることで、アーチ機能の回復が期待できます。

1.トゥスプレッドアウト(Toe spread-out)


足指を横に大きく開くことで、足の横アーチに関係する筋肉や指の筋肉を強化!
• 足を床につけた状態でリラックス。
• 親指と小指を開き床につける、中3本の指は上にあげる。
• 5秒キープして戻す。10回×2セット。

※最初はできなくても、続けていくことが大切‼︎




2.タオルギャザー(Towel gather)


このバランスの取り方は、実は「目的」によって異なります(ケースで学ぶスポーツ栄養学 参考)。
足指を鍛えるトレーニング!
• 床にタオルを敷き、足を乗せる。
• 足指だけを使ってタオルを手前にたぐり寄せる。
• 最後まで引き寄せたら戻して1回。これを3セット。

※小さなタオルから始めて、慣れたらバスタオルにすると負荷アップ!

3.後脛骨筋トレーニング

内側アーチを支える後脛骨筋を強化!
• バンドを足の外側から引っ張るようにセット。
• 足首を内側へ引き寄せるようにゆっくり動かす。
• 10回×2〜3セット。反動をつけず、ゆっくり行うのがポイント。




4.腓骨筋トレーニング

外側アーチを支える腓骨筋を強化!
• バンドを足の外側から引っ張るようにセット。
• 足首を外側へゆっくり動かす。
• 10回×2〜3セット。こちらもゆっくり丁寧に動かす。


扁平足は、正しく鍛えれば改善できる可能性があります。地味な動きですが、毎日コツコツ続けることが大切です。足元から体を整えて、姿勢や歩き方の変化を感じてみましょう!



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執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 石井 亮多

監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰

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