筋トレに必要なのは筋トレじゃない?
ゴルフ体幹の鍛え方
「飛距離を伸ばしたい」「スコアを改善したい」とジムに通い、腹筋運動やベンチプレスに励むゴルファーは少なくありません。ですが、本当に一般的な体幹トレーニングだけでゴルフパフォーマンスは向上するのでしょうか?
ゴルフスイングで必要な動きとは?
実は近年のスポーツ科学では、ゴルフスイングは単なる筋力ではなく、"全身の連動"によって成り立つ動作と考えられています。
ゴルフスイングでは、下半身で生み出した力を骨盤、体幹、胸郭、肩、腕、クラブへと順番に伝える「運動連鎖(Kinetic Chain)」が重要です。研究では、上級者ほど骨盤→胸郭→腕→クラブの回旋タイミングが効率的であり、スイング時に連動した動きで加速すると報告されており、「強く振る」よりも「力をうまく伝える」ことが飛距離につながるとされています。
また、ゴルフスイングでは体幹、肩、リード側の腰の動きを伴います。この体幹のねじれは、かなりの脊椎ストレスを引き起こす可能性があり、283人の日本人プロゴルファーを対象とした調査で、腰痛は主にトレール側(つまり右側)に発生すると報告しました。
スイングに必要な筋肉と腰痛の関連
先ほどお話したように、ゴルフスイングでは体幹のねじれで脊椎ストレスがかかってしまうため、筋肉の働きが力をうまく伝える力が重要になります。
また、ゴルフスイングでは腹斜筋や脊柱起立筋、臀筋群などの体幹筋が重要な役割を担います。特に腰痛を有するゴルファーでは、リード側の外腹斜筋の筋活動開始が遅れることや、体幹筋の持久力低下が報告されており、繰り返されるスイング動作によって脊椎への負担が増加すると考えられています。
ゴルフ体幹を鍛えるには?
以上よりゴルフのために鍛える体幹トレーニングは、単なる筋力強化だけでなく、体幹が働くことで骨盤から腕がスムーズに連動し動くこと、体幹の筋持久力を高めることが、パフォーマンス向上と腰痛予防の両方に重要とされています。
そこで、今回は回旋動作に必要な体幹機能を鍛えるトレーニングを1つご紹介します。
サイドプランク+体幹回旋運動 左右各10回
①
②
①肩の下に肘をついて、反対の手は肩の高さに持ち上げ、サイドプランクの姿勢を取ります。
②サイドプランクの姿勢を保持したまま、肩の高さに持ち上げた手をなるべく前方にリーチします。
③3秒かけて前方へなるべく前にリーチし、テンポよく戻していきます。左右各10回繰り返します。
ポイント:手をリーチする中で体幹の回旋の運動を意識しましょう!
まとめ
ゴルフに必要なのは、単に体幹の筋肉を大きくすることではありません。飛距離が伸びない、腰痛を繰り返す、スイングが安定しない場合は、筋力不足ではなくスイングに必要な体幹機能に問題があるかもしれません。だからこそ、ゴルフ体幹では「鍛える」ではなく、「正しく動ける身体の機能を作る」ことが大切です。
執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 中山 みのり
監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良泰
池尻大橋せらクリニック