私たちの健康や体づくりにおいて、「有酸素運動」と「無酸素運動」のバランスは非常に重要なテーマです。特に最近ではフィットネスブームや健康志向の高まりにより、多くの方がジムのトレーニングや運動を生活に取り入れていますが、それぞれの運動の特徴や目的を理解し、適切に組み合わせられているでしょうか?
本コラムでは、「有酸素運動」と「無酸素運動」の定義や効果をはじめ、それぞれの運動のバランスについて紹介します。


〇有酸素運動って何?

ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳など、「酸素を使いながら軽〜中程度の強度で長時間行う運動」を指します。
運動時間としては、20分〜1時間程度継続できるものが目安です。主に脂質と糖質半分ずつをエネルギー源として使います。

-効果-
・脂肪燃焼:脂質をエネルギーとして使うため、ダイエットや体重管理に有効。
・心肺機能の向上:心臓や肺が強くなり、持久力が向上。
・血流の改善:動脈硬化の予防。
・ストレス解消・メンタルケア:セロトニンやエンドルフィンが分泌され、気分がリフレッシュ

-注意点-
・強度が上がりすぎて無酸素運動に近くなると、エネルギー源が糖質主体に変わり、脂質燃焼効果が下がることもあります。
・「楽すぎる」のも効果が薄れてしまいます。少し汗をかき、呼吸がやや弾み、会話ができるくらいが理想です。


〇無酸素運動って何?

筋トレや短距離走、ジャンプ系の運動など、「高強度で短時間に行う運動」を指します。運動時間としては、数秒~数分が基本です。主に筋肉内にある糖質をエネルギー源とします。

-効果-
・筋力向上・筋肥大:筋線維が太くなり、パワーが向上。
・基礎代謝の向上:筋肉が増えることで、安静時の消費カロリーも増加。
・瞬発力やスピードの向上:パフォーマンスが向上。

-注意点-
・無酸素運動だけだと乳酸がたまりやすく、疲労が蓄積しやすくなります。
・強度が強すぎると、筋損傷などの怪我のリスクが高まります。

〇有酸素運動と無酸素運動のバランスはどうやって決める?


このバランスの取り方は、実は「目的」によって異なります(ケースで学スポーツ栄養学 参考)。
-週に4~5日運動を想定した場-
・ダイエット:有酸素運動を週3〜5回、無酸素運動を週2〜3回
・筋力強化:有酸素運動を週1〜2回、無酸素運動を週3~4回
・健康維持:両者をバランスよく週に2〜3回ずつ


まとめ

運動は一過性のものではなく、楽しく継続することが最も大切です。まずは自分の目的と体力に合わせて、できる範囲でバランスよく取り入れてみましょう!




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執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 高橋 遼

監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰

池尻大橋せらクリニック 
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