ドラコンプロ(飛距離競技のプロ選手)は、高い負荷のウエイトトレーニングと、非常に速いスイング練習を組み合わせて、最大限のヘッドスピードを引き出しています。
この方法自体は理論的に正しいと言えます。
しかし、アマチュアゴルファーが同じことをそのまま真似すると、「飛ばそうとしているのに、逆に振れなくなる」というケースが少なくありません。
その大きな理由の一つが、ゴルフ練習と筋トレの順序です。
〇同じ日に行う場合の考え
アマチュアゴルファーにとって最も大切なのは、「疲れを残さず、速く振れる状態を作ること」です。
同じ日に行うのであれば、ゴルフ(スピード重視) → 筋トレの順番が、最も飛距離アップにつながりやすいと考えられます。
〇ゴルフ → 筋トレ が向いているケース
飛距離を伸ばすためには、まず「できるだけ速く、正確に振る感覚」を身体と脳に覚えさせることが重要です。
スイング練習は、筋肉よりも神経(動きをコントロールする仕組み)に強い負荷がかかります。
疲れた状態では、ヘッドスピードもスイングの正確さも落ちやすくなります。
そのため、先にゴルフ練習を行い速く振る感覚を身体にインプットし、その後で筋トレを行い必要な筋肉を補強するという流れが、とても合理的です。
特にアマチュアゴルファーの場合、筋トレの後にスイングをすると、無理な力の使い方や余計な動き(代償動作)が出やすく、腰や肩を痛める原因にもなりやすい傾向があります。
飛距離アップとケガ予防を両立したい場合、基本は「ゴルフ → 筋トレ」がおすすめです。
〇筋トレ → ゴルフ が有効なケース
一方で、筋トレを先に行う方が良い場合もあります。
それは、「力を出す感覚をつかむこと」が目的のときです。
下半身や体幹を軽く刺激したあとに、短時間だけスイング練習を行うと、地面を強く踏むその力をスムーズにクラブへ伝えるといった感覚をつかみやすくなります。
ただし、これは低負荷で少ない回数・短時間が前提です。
長時間の練習やラウンド前には向いていません。
〇飛距離向上に重要なトレーニング
ここでは、上肢・下肢・体幹から、それぞれ重要な1種目を紹介します。
① 上肢:抵抗下でのスイング練習(ダウンスイング?インパクト)
・下半身→お腹→腕の順で動かす
・腰が前に突き出たり、体が起き上がったりせず、その場で体を回す
・当たる瞬間に体が流れず、軸が保たれている
② 下肢:ヒップヒンジ
・背中が曲がったり反ったりせず真っ直ぐのまま、股関節を軸に体を前に倒す
・膝は少し曲げて、つま先よりも前に出さない
・立ち姿勢へ戻るときはお尻の力で戻る(腰で反らない)
③ 体幹:ツイストサイドプランク
・頭・体・脚が一直線になるように保つ
・ひねる時は胸まわりだけ動かす
・首や肩に力を入れすぎない
回数:各項目10回 × 2セット
〇まとめ
ドラコンプロのトレーニング方法自体は正しいと言えます。
アマチュアゴルファーが飛距離を伸ばすためのポイントは、目的に応じてゴルフとトレーニングの順序を考えることです。
ゴルフで速く振り、その動きを支えられる身体を筋トレで作る。
この積み重ねこそが、再現性のある飛距離アップにつながります。
執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 佐藤 脩斗
監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰
池尻大橋せらクリニック