皆さん「スマホ首」という言葉を耳にしたことがありますか?現代社会において子供から大人までみんなが使用するスマートフォン。
便利で手放せないツールですが、仕事やプライベートで長時間使用することが、身体に大きな負担をかけています。
今回は「スマホ首」が身体に与える影響について解説していきます
〇現代人を悩ませる『スマホ首(=ストレートネック)』とは?
私達の背骨は頸椎、胸椎、腰椎、仙骨で構成され、S字形状となっています。
それにより背骨へかかる負担を分散しています。しかしスマートフォンやパソコンを使用する際に猫背姿勢が多くなり、
頭の位置が前になることで頸椎の形状がまっすぐになっていきます。これを『スマホ首』や『ストレートネック』と呼びます。
海外では携帯を使用してメールのやりとりすることをTextと呼ぶことから『Text neck』として知られています。
〇スマホ首ってどんな症状があるの?
主な症状は首や肩の痛み・頭痛・目の疲れが出現、姿勢は猫背姿勢と、頭の位置が前に出る、反り腰になることもあります。
重症化すると...
腕や手に痺れ・筋力低下・めまいなどの症状がでます。また首の弯曲も逆になり、
頸椎後弯症や頸椎椎間板ヘルニアになる可能性があります。
〇運動にはどんな影響があるの?
1.症状による影響
スマホ首では重症化すると腕や手の痺れ・筋力低下の神経症状が発生し、
手を使うスポーツ選手の能力を発揮できなくなります。
2.姿勢による影響
スマホ首になると、姿勢が崩れ、特定の筋肉が硬くなる一方で、弱くなる筋肉もでてきます。
•硬くなる筋肉 → 首の後ろ、胸の前、腰、股関節の前
•弱くなる筋肉 → 首の前、背中、お腹、お尻
このように筋肉のバランスが崩れることを、**Janda(ヤンダ)**は「マッスルインバランス」と呼びました。
マッスルインバランスは、スポーツパフォーマンスが下がる原因になります。
さらに、ゴルフなどの身体をひねるスポーツでは、本来ひねるべき胸が動かしづらくなり、
代わりに腰がひねることで腰痛の原因になることもあります。
〇どうすれば良いの?
現代社会では、スマホやパソコンを使わない生活は難しいですが、猫背姿勢を避けることが重要です。
また、以下の運動も効果的です。
1.仰向けに寝て顎をひく
2.両手を天井に向けてまっすぐのばす
3.両膝を90度に曲げ、足を浮かせる
4.腹筋に力を入れて腰が浮かないようにキープ
5.右手と左足をゆっくり伸ばし、床スレスレまで下げる
6.元の姿勢に戻し反対も同様に行う
7,左右交互に10回ずつ繰り返す
まとめ
現代社会において携帯やパソコンは避けられないツールです。しかし、長時間使用は身体や運動への影響が大きくなります。
普段から姿勢を意識・運動をしてスマホ首とならないよう気をつけていきましょう。
・・・・・・・・・・・・・・・
執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 石井 亮多
監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰
池尻大橋せらクリニック
https://sera-clinic.com/