ゴルフは年齢を問わず楽しめるスポーツですが、実は腰の痛みに悩むゴルファーはとても多いです。
ゴルフで一番多いケガは「腰」と言われています。
長く続けるためにも、腰痛の原因を知り、体を整えていくことが大切です。
〇なぜゴルフは腰を痛めやすいのか?
ゴルフスイングは「ひねり」と「前かがみの姿勢」を同時に行う動作です。
このとき、腰に大きな負担がかかります。
実は、背骨の中でも「腰の骨(腰椎)」はひねる動きがあまり得意ではありません。1つ1つの関節で動ける角度はとても小さく、無理にひねると関節にストレスがかかってしまいます。これが腰痛の原因のひとつです。
一方で、「胸の背骨(胸椎)」は回す動きが得意です。
他にも股関節には内旋・外旋(膝が内と外に向く動き)という動きがあり、胸が回るのを助ける役割があります。
本来は胸をしっかり回し、股関節をしっかりひねることでスイングがスムーズになり、腰への負担を減らせるのです。
〇背骨の役割
- 胸椎(胸の背骨) → 回す役割
- 腰椎(腰の背骨) → 支える役割
〇腰を守るためにできるケア
腰痛を防ぐためにどんなことをしたら良いのでしょうか?
① 胸をしっかり回す練習をする(胸椎ストレッチ)
やり方:
① 四つ這い姿勢をとる(手は肩、膝は股関節の下にくるように)
② 手を頭の後にあて、肘から大きく胸を回す(腰が動かないように)
② キャット&ドッグ(背中を丸めたり反らしたりする動き)
やり方:
① 四つ這い姿勢をとる
② 顔を上を向きながら肩甲骨を寄せる
③ 顔は下を向き、おへそを凹ませながら肩甲骨を引き離す
③ 腰を安定させる体幹トレーニング(プランク)
やり方:
肘とつま先で体を支え、体をまっすぐの状態で床から離し、20秒維持
④ 股関節を柔らかく保つ(股関節ストレッチ)
やり方:
① 体育座りの姿勢になり、両脚を肩幅程度に開く
② 体を正面に向けたまま、左右に脚を倒していく
〇まとめ
ゴルフによる腰痛は、「腰をひねりすぎること」が大きな原因です。
胸椎は回し、腰椎は支え、股関節でうまく動きを助ける。
この3つを意識することで、腰への負担を減らし、長く快適にゴルフを楽しむことができます。
執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 石井 亮多
監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰
池尻大橋せらクリニック