サッカーにおいて、「速さ」は試合を左右する重要な能力です。
速く走る動きと、速く方向転換をする動きとでは、体の動かし方が変わってきます。
今回はサッカーで勝負を決める、「速く動く」ための体の使い方の特徴やトレーニングについて解説していきます。
〇相手より速く動く能力とは
サッカーでは短い距離で急速に方向転換をし、相手よりも速く動いてボールを獲得することにより、シュートのチャンスが生まれます。
ゴール前の一瞬で勝敗が決まることもあるため、「速く動く能力」が非常に大事です。
そしてこの「速く動く能力」は、「俊敏性」という言葉に言い換えることができます。
〇サッカーにおける「俊敏性」について
俊敏性は、体の使い方だけでなく、知覚情報や意思決定の認知面にも関わる能力です。
サッカーにおける俊敏性での体の使い方として
「バランスを失わず身体の位置を急速に、正確に変化させる能力」が必要となります。
このサッカーでの俊敏性を分解していくと、
- ① バランスを保つ体幹の力
- ② 方向転換をする足で地面を力強く押す力
- ③ 足を速く回転する力
の3つの力が必要となります。
〇「俊敏性」を高めるためのトレーニング
今回は、俊敏性を高める筋力・パワーをつけるためのトレーニングを、3つお伝えしていきます。
① スタビリティボール・パイク(腹直筋・腸腰筋)
目的:体幹をまっすぐ保持しながら動く力をつける
やり方:四つ這いの姿勢でバランスボールの上に膝から下をのせる。体幹をしっかり保持しながら股関節を屈曲させてボールを胸の方へ動かし、つま先がボールの頂点にきたら元の場所に戻る。
回数:10回 × 3セット
② シングルレッグブリッジ(ハムストリングス・大殿筋)
目的:足で地面を力強く、速く押すためのの股関節伸展筋の力をつける
やり方:仰向けになり、片足はつま先を立てて踵のみ地面につける。反対の足は膝を伸ばして床から浮かせた状態にする。片足の踵で地面を押しながら、なるべく早くお尻を上げる。
回数:左右各10回 × 3セット
③ シザーズジャンプ
目的:足を速く回転する力をつける
やり方:ランジの姿勢からジャンプをする。ジャンプをする間に前後の足を入れ替える。
慣れてきたら空中で2回入れ替える。
回数:10回
〇まとめ
サッカーでは、5mで相手より0.1秒でも早く動けるだけで、ボールへの寄せや攻守の切り替えに大きな差が生まれます。
サッカーにおける「速さ」の価値を見直し、自分の武器にしていきましょう。
執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 中山 みのり
監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰
池尻大橋せらクリニック