子どもの「考える力」を楽しく鍛える
オセロやごっこ遊びに秘められた科学的な力
子どもの創造力や論理的思考、集中力は遊びによって大きく伸びることが、国内外の研究で明らかになっています。今回は、小学生を対象とした科学的に効果が証明されている遊びをご紹介します。
〇オセロやチェスが「考える力」を育てる
最近の研究では、オセロのような戦略系ボードゲームが、小学生の論理的思考や数学的な考え方を育てることが示されています。
例えばデンマークの研究では、オセロを取り入れた授業で、子どもたちが「もし〇〇なら△△になる」といった仮説を立てて考える力(推論力)が明らかに向上したそうです。
また、チェスや将棋も同様に効果があり、記憶力・注意力・問題解決力を高めるとされています。
〇ごっこ遊びや創作活動が「ひらめき力」を育てる
創造力を育てるには、正解がひとつじゃない遊びがとても良いとされています。
演劇や空想ごっこなど、自由に発想できる「クリエイティブな遊び」は、ひらめきやアイデアを生み出す力(発散的思考)を育てることがわかっています。
また、週1回のごっこ遊びや創作活動が、言葉で表現したり、新しい視点を考えたりする力を大きく伸ばすとされています。
〇「自分で考えて作る」遊びがすごい
ある研究では、小学生(8~10歳)が自分たちで「新しいゲームのルールを考えて、実際に遊ぶ」という活動を行ったところ、「問題を構造的に捉えて整理する力(構想力・展開力)」が飛躍的に伸びたそうです。
「遊びながら企画する」経験が、思考力を鍛えるトレーニングになります。
〇運動と発想を組み合わせるのも効果が認められている?
運動と創作を組み合わせた活動(例えば「ジャンプしてから思いついた物語を話す」など)が、集中力や創造性を高めるという報告もあります。
たくさん動いた後のほうが、頭の回転が良くなる可能性が示唆されています。
まとめ
遊びの種類 | 伸びる力 |
---|---|
オセロ・チェス | 論理的思考・推論力 |
ごっこ遊び | 発想力、言語的表現力 |
ゲームを作る遊び | 問題解決力、構想力 |
運動+創作 | 集中力、創造力 |
子どもたちはオセロやごっこ遊びなど「楽しい」の中にこそ、能力を育てるヒントが詰まっています。「好きなもの」「楽しんでいるもの」は何かに親が気づいてあげながら、一緒に遊ぶことが子供の成長を一番伸ばす方法なのかもしれません。
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執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 石井 亮多
監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰
池尻大橋せらクリニック
https://sera-clinic.com/