現代人の健康志向の高まりとともに、サプリメントの活用が広がっています。サプリメントは「手軽に摂れて効率的」と思う方も少なくありません。では本当に、サプリメントは食事より効率よく栄養を補えるのでしょうか?
本コラムは、食べ物とサプリメントのメリットや注意点からサプリメントで補ったほうが良い栄養素を解説していきます。
・食べ物から摂るメリット
・栄養素が複合的に存在し、吸収や働きに相乗効果がある(例:鉄+ビタミンC、カルシウム+ビタミンD)。
Fan Chenら(2019)の研究では、食事から栄養を摂っている人の方が死亡リスクが低いと報告されています。
・よく噛み、味わうことで満腹中枢が刺激され過食を防ぎ、満足度も得られる。また、食べ物をよく噛むことが消化、吸収を手助けするホルモン分泌にも影響。
〇サプリメントのメリットと注意点
・時間がないときや特定の栄養素を重点的に摂取したいときに便利。
・ただし、過剰摂取による健康リスクも存在(例:脂溶性ビタミンの蓄積、栄養素のバランス崩壊)。
・重要なのは「不足を補う目的」で使うことであり、やみくもな摂取は逆効果です。
〇サプリメントでの補給が有効な栄養素
以下の栄養素は、現代の食習慣では不足しやすく、サプリメントの活用が有効とされる代表例です。
栄養素 | サプリメントの有効性 | 補給が望ましい人 |
---|---|---|
ビタミンD | 骨・免疫・筋力維持に有効 | 室内中心の人、アスリート、高齢者 |
鉄 | 疲労・貧血・パフォーマンス 低下予防に有効 |
女性、持久系選手 |
オメガ3脂肪酸 | 炎症抑制・回復促進・心血管 保護に有効 |
魚を食べない人(魚に多く含まれるため)、 トレーニング習慣者 |
たんぱく質(プロテイン) | 筋合成促進・回復促進に有効 | トレーニング後、高齢者、少食の人 |
まとめ
サプリメントは栄養補給をサポートする便利な手段ですが、健康づくりやパフォーマンス向上の土台は、あくまで日々の食事にあります。まずは食事から必要な栄養素をしっかり摂ることを基本とし、医師や栄養管理士のサポートを受けながら自分に必要な栄養素をサプリメントで補いましょう。
「食事で整え、サプリで補う」という意識を持つことが、健やかな身体づくりへの第一歩です!
執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 髙橋 遼
監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰
池尻大橋せらクリニック
https://sera-clinic.com/