「ゴルフってダイエットになるの?」と驚かれるかもしれません。けれど実は、ゴルフは中強度の有酸素運動であり、さらに全身を使った筋活動を含む、ダイエットに適したスポーツなのです。本コラムは、ゴルフの脂肪燃焼効果について、科学的根拠とともに解説します。


〇歩くゴルフ=中強度の有酸素運動

ゴルフは、アメリカスポーツ医学会(ACSM)の基準で3.5~4.5METsの中強度運動に分類されます。特にカートを使わず歩くスタイルでは、

・1ラウンドで約8~10km歩く(カート利用でも4~6km)
・消費カロリーは約700~900kcal

脂肪を効率よく燃焼させるには、「やや息が上がる程度の心拍数を長く維持する」ことがカギです。ゴルフはまさに、こうした持続性のある中強度運動として優れた特性を持っています。

〇スイングは“動く筋トレ”

ゴルフスイングは、見た目以上に全身運動です。Cabriらの筋電図の研究からも使われる主な筋肉は、

・体幹(腹斜筋・脊柱起立筋)
・背部・肩甲帯(広背筋・前鋸筋)
・股関節・下肢(中殿筋・ハムストリングスなど)

が挙げられています。これらは日常動作の安定にも関わる重要な筋群であり、スイングを繰り返すことで体幹の安定性やバランス能力の強化にもつながります。

〇自然環境+運動=脂肪代謝アップ

ゴルフは自然の中で行うスポーツ。屋外での運動には、心身のストレスを軽減し、脂肪が燃えやすくなる環境づくりにも貢献します。

・自然環境下での運動→ストレスホルモン低下

・日光を浴びることでビタミンDが生成され、セロトニンを調整→自律神経が安定

・有酸素運動により、脂肪をエネルギーに変える酵素やミトコンドリアが活性化

といった多面的な代謝活性化作用が見られます。ゴルフは単なる「運動」ではなく、身体全体の代謝機能を整える「リズムづくり」のような存在とも言えます。

まとめ

ゴルフは、歩くことでの有酸素運動効果、スイングによる全身筋活動のトレーニング効果、自然環境による代謝調整のサポートと、脂肪燃焼に必要な要素を三拍子そろえているスポーツです。年齢を問わず無理なく続けられる点も大きな魅力。健康づくりや体型改善の一環として、楽しみながらゴルフを生活に取り入れていきましょう!



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執筆者
池尻大橋せらクリニック 理学療法士 髙橋 遼

監修
池尻大橋せらクリニック 医師 世良 泰

池尻大橋せらクリニック https://sera-clinic.com/